税金

【税理士解説】米国高配当株式投資をする際に知っておきたいNISA口座の使い方

米国高配当株式投資を行う際の1番の目玉『配当金』。

この『配当金』ですが、実は2種類の税金が引かれるんです。

それは

①アメリカの所得税 → 大体10%
②日本の所得税 → 大体20%

です。
(ちなみに、日本株式における配当金は、当たり前ですが②のみが引かれます。)

 

話を簡単にする為に全て円ベースで話をすると

1,000円の配当金の場合

・日本株の場合の手取額…800円(税金200円)
・米国株の場合の手取額…700円(税金300円)

となる訳です。

でも、やっぱりアメリカからも日本からも税金持っていかれるって、納得できませんよね?

そんな声に国は応えてくれまして
わかった、全額とまでは行かないけど、アメリカの税金を少し安くしてあげるよ!
という制度を作ってくれました(外国税額控除というものです)。

 

これは確定申告が必要になるんですが、これを使えば

1,000円の配当金の場合

・日本株の場合の手取額…800円(税金200円)
・米国株の場合の手取額…750円(税金250円)

となるんです。

ここで注意して欲しいのがタイトル通り

NISAを使う場合

です。

多分このblogを読まれてる方ならある程度はご存知だとは思うんですが、改めて簡単に説明しますと、NISAは『一定額までは株式等に関する税金がかからない』という制度です。

しかし、これは『日本の税金がかからないだけ』なんです。

NISAを使うと先程のアメリカの税金を安くする制度は使えなくなるんです。

どうやら国としたら『日本の税金安くしてやったんだから、アメリカの税金についてはもういいっしょ!』という理屈らしいです。
(…理屈になってませんよね笑)

 

具体的に見ますと、

1,000円の配当金の場合

・日本株の場合の手取額…1,000円(税金0円)
・米国株の場合の手取額… 900円(税金100円)

になるんです。

もちろん、日本の税金がない分、手取額は増えます。

ただ、NISAは先ほど書いたように『一定額まで』という制限があります。

そのため、結論を先に言うと

日本株も米国株も投資していて、NISA枠以上の投資をする場合は
『NISA枠は日本株を優先して使え』

という事になります。

 

具体的に見ますと、

日本株と米国株で、それぞれ1,000円の配当金(合計2,000円分)をもらった場合

ケース① NISAで日本株式 / 特別口座で米国株式

・日本株の手取額…1,000円(税金0円)
・米国株の手取額… 750円(税金250円)

合計1,750円(税金250円)

ケース② NISAで米国株式 / 特別口座で日本株式

・日本株の手取額…800円(税金200円)
・米国株の手取額…900円(税金100円)

合計1,700円(税金300円)

 

ケース①の方が手取額が多い(税金が安くなる)んです。

どうですかね、理解できましたかね??

一応念のためですが、NISA枠を使い切らない(使いきれない)ならば、米国株であってもNISA枠を使った方が税金的にオトクですからね!

 

『残り10万円分のNISA枠残ってて、アメリカ株も日本株も10万円ずつ買おうと思ってるんだけど、どっちをNISA枠で買おうか?』って時とか、『今年はアメリカ株を150万円、日本株を150万円買う予定』って時とかは、この記事の事を思い出してもらえると幸いです。

まとめ

・配当金には2種類の税金がかかる
・確定申告すれば、アメリカの税金は一部戻ってくる
・しかしNISAを使うとアメリカの税金は一切戻ってこない
・日米両株式に投資しており、NISA枠を使い切りそうな場合日本株式を優先すべき