今日は『先進医療』についてお話したいと思います。
日本の公的社会保険制度で高額療養費がある事はこちらの記事でご紹介しました。
しかし
『そんな基本的な医療だけでは不十分。命はお金に代えられない。いざとなったら超最先端の医療を受けたいんだ!』
と先進医療特約の為に保険に入るという方もいらっしゃると思います。
もちろん、そのような考え方は全く問題ないのですが、保険会社のセールストークのまま、不安に苛まれて何となく保険に加入するのではなく、きちんと『先進医療』の実態、『先進医療とは何か?』を知った上で、本当に自分にとって必要なのか?を判断して保険の要否を決めて頂ければ、と思っています。
今回も『先進医療』について、ざっくりと分かりやすく、解説していきますね。
①『先進医療=自由診療』ではない
大前提ですが、先進医療というと『まだ認可されていない、最先端の医療技術が詰まった治療』と思っていらっしゃる方、いませんでしょうか?
まぁそれ自体あながち間違っていないかもしれませんが、あくまでも保険の対象となる先進医療は厚生労働大臣に認可を受けた治療のみです。
私の親族にも医者がいるのですが、独自に海外から薬を輸入したりしていますが、そういったものは保険の対象外です。
超先端の医療だと、海外の治療を受けに行ったりした場合も保険の対象外です。
②先進医療は高い??
先進医療というと、漠然と『高そう』と思われるかもしれません。
しかし、実際のところがどうかってご存じですか?
確かに、中には300万円程度要する先進医療(陽子線治療、重粒子線治療など)があるのも事実です。
しかしこれらの高額な先進医療は年間実施件数が1,000件前後と、殆ど行われません…。
(こちらの理由については後述します。)
では、平均はどうか?、というと、約76万円なんですね。
もちろん、安い金額ではないですが…どうでしょう?
何とか貯蓄等でカバーできる金額ではないでしょうか?
私なら…貯蓄、もしくはいざとなったら誰かに泣きついて工面(それこそ命がけで苦笑)すると思います。
③先進医療は誰でも受けられる訳ではない
先進医療は誰でも希望したからといって誰でも受けられる訳ではないんです。
・先進医療を受ける条件を満たしている必要がある
・実施できる医療機関が限定されている
など、そもそもハードルが高く、故に実際に先進医療を受けているのは全国で年間約40,000人です。全人口の0.03%程度なんですね…。
以上、先進医療について述べてきましたが、『民間医療保険の先進医療特約をつければ、どんな治療を受けても保険でカバーできるという訳ではない』んですね。
先進医療特約はそれほど高額なものではないので、以上を知った上でなお、民間医療保険に加入して、この特約をつける…というのは、個人の価値観なので全く問題ないと思います。
ただ、この記事で『何となく良く分からないけど、つけておいた方がよさそうだから…』という理由で『本当は不要なのに加入している』という方が、保険の見直しのきっかけになれば嬉しいです。
以上参考になればうれしいです。
今日もありがとうございました。
【データ出典】
厚生労働省 令和元年6月30日時点で実施されていた先進医療の実績報告について