『運用効率』で言えば、『複利運用』が最強なのはもはや異論はないと思うんだけど…。
その『複利運用』でも
①配当金もらって再投資する
②そもそも配当金をもらわない(100%内部留保)
の2種類があります。
ちょっと言い方がややこしいけど、投資信託でいう所の
①『分配金受取』して受取額で再度購入する
②『分配金再投資』
と同義。
この議論をすると、よくあるのが、『配当金には都度税金がかかるから、配当金なんてもらわなくていいでしょ?』という議論。
そうなんですけど、『両者にはどのくらいの違いがあるの?』というのって知っておいて損ではないと思うので、少しシミュレーションしてみました。
配当金再投資の税的デメリット
元本100を元本成長(株価成長)5%で、毎期前期末元本(前期末株価)に対して2%配当する…という前提でシミュレーションしてみました。
上段が『②そもそも配当金をもらわない』パターン。
下段が『①配当金をもらって再投資する』パターン。
上段は配当をもらわないので、税金がかからず、配当(相当額)が全額元本に再投資されます。
下段は配当をもらうので、税金(20%と仮定)控除後の額が元本に再投資されます。
結果として、30年投資して8%の差でした。
(これは年利換算ではなく、トータルリターンです。)
100万円投資した時、30年後に②配当金を受け取らない場合は679万円と①配当金を受け取り再投資する場合630万円と49万円の差(1年あたり1.63万円)になっていました。
配当利回りが上がるほど取られる税金が多くなるのでパフォーマンス差は広がりますが、トータルリターンが同じ場合、5%にしても
30年で14%の差でした。
100万円投資した時、30年後に②配当金を受け取らない場合は448万円と①配当金を受け取り再投資する場合394万円と54万円の差(1年あたり1.8万円)になっていました。
個人的には
ここからは個人的な感想になりますが、正直上記シミュレーションの結果は、『ぶっちゃけ誤差の範囲』で『圧倒的にこっちがいい!』という事は言えないかなと思っています。
もちろん、配当金を受領しない(内部留保してもらった)方が運用効率としてはいいのですが、この程度の差であれば、『配当金の使途の自由さ』(たまには再投資しない事も可能。もちろん、複利効果が消えるのでパフォーマンスはダウンする)や、『売却の心労』(“資産を減らす”事に対する心理的抵抗)を考えると上記結論となります。
このシミュレーションは銘柄特性を無視している(配当ある企業の方が、株価の下支え効果が見込めるなど)おり、『あくまでも税金のみを変数にした場合こうなるよ』という事であり、この結論だけをもって判断を下すのは危ないと思いますので、その点はご留意ください。