株価分析

SPYDの効率的な買い方

SPYDを購入する目的ってやっぱり『配当金』だと思うんですよね。

高配当ETFといえばVYMとかHDVもありますが、個人的には配当により特化しているSPYDの方が好みです(「中途半端な配当もらうくらいなら、いっそVOO買うわ」という感じです)。

こちら、通常のインデックスファンドと異なり、単に値上がりを狙っている訳ではないので、ちょっと思考回路を変えないといけないんですよね。

具体的には①基準価格(株価)②配当額の2変数について考える必要があると思います。

SPYDのベストな買い方は??

ちょっと図解しました。

まず、1番上の段ですが、基本的に相場環境がよければ構成銘柄の株価が上昇して基準価格があがりますし、逆に相場環境が悪ければ構成銘柄の株価が下落して基準価格も低下します。

そして、2段目ですが、相場環境がよければ配当は増加傾向になるでしょうし、相場環境が悪ければ配当は減少傾向になります。

あたり前ですが、基準価格と配当は基本的に相関関係にあります。

ただし。

『配当』に関しては、米国には配当貴族(配当チャンピオン)という銘柄もあり、下方硬直性が強いものと思います。また、逆に、業績が好調でも、株価の様にすぐに、そして大幅に上がる訳ではない(=ボラティリティが低い)です。

という事で、これを実態に則して極端に配当を表すと、

配当額は『変わらない』か『ほんのり上がる』

という事になります(あくまで極端に示しています)。

…という事は、基準価格が安い時、すなわち暴落時に買うのがベストという事になります。

積立投資はNG??

…という事で、ベストな購入方法は暴落時という事なのですが、では、積立投資はNGなのか?と言うと、個人的にはそうも思っていません。

再び図解します。

積立する…という事は『既に購入したもの』の魅力がどうなっていくのか?という事だと思うのですが、上記の図の通り、既に購入しているので、『投下資本がもう変わらない』という意味で基準価格を『変わらず』と表現しています。

そして、先ほど同様、SPYDの配当というのは『変わらない』か『ほんのり上がる』という事なので、現在の基準価格で買っても、時間が経つにつれて、『現在の魅力が変わらないか、上がって行く』といえると思います。

ちなみに、仮に2000年代のように米国相場の成長が停滞しても配当貴族や配当チャンピオン株が控えている以上、配当は安定して支払われると思うので、株価が停滞しても安定的に現状(2021年12月時点で税前約5%の配当利回り)程度の配当(利回り)は確保できることとなり、相対的には魅力が増す可能性さえあると思います。

 

ここで、そもそも論ですが、SPYD自体って投資商品としてどうなの?(S&P500に投資しておいた方がいいのでは?)という事について、次で述べたいと思います。

そもそもSPYDって投資対象としてどうなの??

SPYD設定来のS&P500とSPYDのトータルリターンの比較です。

2020年1月…つまり、コロナ前までは殆どパフォーマンスが変わりません。
何なら、2017年1月頃まではSPYDの方がS&P500よりパフォーマンスは上でした。

…が、見ての通り、コロナ(2020年2月)以降はS&P500の圧勝です。

こちらの理由としては、SPYDの特徴というのが下記ステートストリートのHPにもあるように

と、『とにかく高配当銘柄』に投資をしている為、どうしてもハイテクグロース株は含みにくくなってしまいます。

こちらがステートストリートのHPからとってきた銘柄一覧です。

ご覧の通り、最近勢いのあるハイテクグロース株(配当低い)を含んでいないSPYDはトータルリターンではS&P500には(もちろんQQQにも)勝てないのも、まぁ納得ですよね。

しかし。

ハイテクグロース株の勢いはどこまで続くのか…といのはあると考えていて。
過去の推移みてもQQQは2019年頃から兆しはあったけど、2020年頭まではS&P500 vs SPYD のトータルリターン差はあまりない。

エグイくらいのハイテクグロース株の伸びがあったからこそのS&P500 vs SPYD のトータルリターン差であるが、実際長期目線で見たとき、2016~2020の方が通常なのでは?と思う訳です。

エグイくらいのハイテクグロース株の伸びはある意味バブルではないか?と。

という事で、少し考察をば…と、ITバブルと時と現在のGAFAMのPERを見てみました。

GAFAMのPERは、こちらのサイトで一発で出てきたので拝借。

感想としては、「意外と高くないな」と。
もっと100倍近かったりするのかなと思っていました。

しかし、このサイトを見ると…

ITバブル期のPERもそれくらいなので、今がバブルな可能性はありますね。

解説を見ると、ITバブル崩壊はインフレ率こそ逆の動きだけど、利上げが1つのトリガーとなっていると解説されており、今後利上げが予想されている中では、ITバブル再来も考慮しておかなければならないかもしれませんね…。

今がバブルで異常であると考えるならば、SPYDのパフォーマンスは再びS&P500程度になる…と考えてもおかしくはないのかな、と思います。